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29.クリンチング・ファスナーの化学物質調査

31.クリンチング・ファスナーの検査方法

30. 売れ筋のクリンチング・ファスナー

ここまでのページで、クリンチング・ファスナーを使用する場合、 なるべく売れ筋のクリンチング・ファスナーを使った方が良いという事を述べてきました。  その理由は、在庫が豊富で価格も安く不具合の心配もない、という理由からです。

クリンチング・ファスナーには様々な種類がありますが、 主に使われているのは、スペーサーとナットとスタッドの3種類です。 これらの売れ筋を調査した結果を以下に述べます。

なお、これらのグラフは、各商品が、同一カテゴリーの中で、何%を占めるかを示したグラフになっています。 実際に何本売れているかや、このグラフの基データが収集された期間はシークレットにさせて頂きましたのでご了承下さい。

クリンチング・ラウンド・スペーサー RST- RSTS- RSTSS- RSB-

クリンチング・ファスナーRST
クリンチング・ファスナーRST クリンチング・ファスナーの中で一番売れているのが、 このクリンチング・ラウンド・スペーサーです。  プリント基板の 実装間隔じっそうかんかく を得るために使われるからです。  上記の2つのグラフは、M3とM4を別々に表しています。  M3ならば下穴(=ファスナーの直径)は6.2mm、M4は7.2mmとなります。  しかし、傾向は両者とも全く同じと言っても差支えありません。  長さ13mm以上は、売れていると言っても微量であり、将来はこのページの影響もあり、 減って行くものと思われます。 また、4mm、6mm、8mm、10mmが主流となって来ており、 その間の5mm、7mm、9mmの需要は少ないという事も言えます。

クリンチング・ファスナーRSTS品番イメージ
これらは、ステンレス製のスペーサー(RSTS)とステンレス鋼板への圧入用のスペーサー(RSTSS) の売れ筋を表したものです。 長さ13mm以上は、ほとんど売れていません。  ステンレスを使う場合の理由の1つとして、強度という点が挙げられます。  そのために長いスペーサーを使用するのは良くないという事も検討されている結果かと思われます。


RSTは、ねじ穴が貫通していますが、RSBはブラインドです。  外側に穴が露出しないのでRSTよりも需要は高いように思うのですが、現実はそうではありません。 RSBはRSTよりも長いタイプが売れる傾向にありますが、 RSTで、20mmもの長い穴があって、そこに、ねじが20mmの深さに切ってあっても、 相手のボルト側が、そんなに長いはずもなく、 結果、長いスペーサーの場合は必然的にRSBとなってしまうからのようです。  ですが、20mmともなれば、実質的な耐力は10mmの1/2となりますので、 13mm以上のRSBを使うのは如何なものか?と申し上げるべきかと存じます。


クリンチング・ラウンド・ナット NT-

クリンチング・ファスナーNT品番イメージ クリンチング・ファスナーNT ナットの品番における右端の-0/-1/-2は、取り付ける板の板厚による使い分けをします。  他のファスナーのように全長を示すものではありません。  板厚0.8mmの板に取り付ける時は NT-M3-0  板厚1.0mmの板に取り付ける時は NT-M3-1  それ以上の場合は、NT-M3-2  といった使い方をします。 従って、右のグラフでは、 M3のねじを板厚1mmの鋼板に取り付けるニーズがダントツに多いという 事を示しています。 カタログでは、同じように並んで掲載されていても、実際の売れ行きは、こんなに違います。

クリンチング・スタッド ST-

クリンチング・ファスナーST品番イメージ
クリンチング・ファスナーST品番 おねじであるクリンチング・スタッドは、M3、M4共に10mmが売れています。  ST-M3-15とST-M3-20は、特定企業からの特需的なニーズであり、 13mm以上は減ってゆくはずです。  M3、M4共に、他の売れ筋ファスナーと同じく、6mm 8mm 10mm が売れています。  スレンレス製のSTS、ステンレス鋼板圧入用のSTSSもありますが、共に長さ10mmが売れています。  しかし、鋼板用に比べると、まだまだ需要は少ないようです。


クリンチング・パイロット・スペーサー PF-

クリンチング・パイロット・スペーサーの絵 クリンチング・パイロット・スペーサーの売上 例外的に、3種類以外で比較的売れているのがこのパイロット・スペーサーです。  クリンチング方式がナットと同じであるために、固着力が低く、そのために 長さ11mm以上は売れていません。 他の売れ筋ファスナーと同じく、6mm 8mm 10mm が売れていますが、 高さ5mmなどの短いナットが欲しいという需要から短いサイズも売れているようです。

まとめ

全ての商品に共通して言える事は、6mm 8mm 10mm の 3つの長さに集中する傾向にある という事です。 

また、何処の会社の在庫管理も同じであると思いますが、 このような売れ筋商品の分析を行って、発注量を決めたりしますので、 売れ筋商品であればあるほど、欠品する可能性は少なくなります。
逆に、上記に出て来ないサイズや、 スペーサーとナットとスタッドの3種類以外のタイプのクリンチング・ファスナーは、 あまり売れておらず在庫も少ないという事になりますので、 長期の安定供給をお求めの場合は、 メーカーとの納入スケジュールの打合せなどをお勧めします。

このような事を述べていると、

“売っている以上、大量に在庫を持つのが
クリンチング・ファスナー・メーカーの責任じゃないか!”

クリンチング・ファスナー・メーカーの責任 という厳しいご意見を賜るかも知れません。
しかし、後でも述べますが、何処のクリンチング・ファスナー・メーカーも、 死蔵品の山に悩まされています。 というのは、もらえるはずの受注計画がお客様の都合で頓挫し、 他では売れないような特殊なクリンチング・ファスナー類が、多くのメーカーで、毎年大量に売れ残ってしまっているのです。  そのために、業界全体で、売れ残る可能性の高い在庫は極力持たない様に務めるしか無いという状況となっています。

 参考; 34.所要量を偽らない事    35.“在庫に持ってくれ”という要望

例えば、 ある種類のクリンチング・ファスナーは、通常ならば5社から発売されているのだけれど、 何処かの企業が大量に消費してしまったために、 日本中、何処を探しても、そのサイズのクリンチング・ファスナーが何処にも無いといった事が 発生しています。 電子部品などでは、そういった事が日常的に発生していると聞きますが、 クリンチング・ファスナーも実は全く同じような状況になりつつあります。

設計者の方に、こういった事を考えて頂かなければ、 2ヵ月前には潤沢にあったクリンチング・ファスナーであっても、突如としてプレミアが付くような事が発生する可能性があります。

長さ 6mm 8mm 10mm に需要を集中させておけば、そういった心配は無くなります。

このページで開示した内容は、実は『行き過ぎた情報開示』かも知れません。  しかし、設計者の皆さんにとって、デリバリーが悪くなる事は、避けた方が良いはずです。  このような情報を開示しておく事は、非常に有益であると判断した次第です。

日本中のクリンチング・ファスナー全体が同じ売れ筋傾向であるはずですので、 クリンチング・ファスナーを使った金属製品の設計をされる際の参考にして頂ければ幸いです。


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