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11.トラブル対策6
半端な長さの使用


13.トラブル対策8
レーザー下穴の危険性


12.トラブル対策7 板の裏表と圧入方向

クンリンチング・ファスナーを用いた板金製品の設計を行う際に、 設計者に気を配って頂きたい内容として、せん断 下穴したあな の裏表という問題があります。

タレットパンチプレス(タレパン)でせん断加工を行った板金製品には、 せん 断面だんめん破断面はだんめん が発生します。 そして、せん断面に比べて破断面は、穴の直径が大きくなります。  つまり、せん断加工を行った穴は、表と裏で 穴径あなけい が異なるのです。

せん断面は、 金型かながた の直径と同じ直径になりますが、破断面はそれより大きくなるので その後、クンリンチング・ファスナーを圧入しようとした時、 破断面側では 母材ぼざい の肉が少なくなってしまいます。

その結果言える事は、クンリンチング・ファスナーの圧入は、 母材下穴の抜き方向と同じ方向に力を加えて圧入せねばなりません。  これが逆ですと、塑性変形部が少なくなり、しっかり圧入したつもりでも、 従来の 固着強度こちゃくきょうど が得られず、ボロっと取れてしまったりする事があります。

仮に、1枚の板で表裏両方向にクリンチング・スペーサーを取り付けるとすれば、 面倒でも、 圧入方向あつにゅうほうこう に合わせて、 下穴加工したあなかこう も逆方向から抜きを行う必要があります。

理論と現実

上記で述べられている事を技術者の方が詳細に検討すると、 下記のような矛盾点に気付かれる場合があるかもしれません。

それは、抜き方向と同一方向に圧入したとしても、 表からだろうと裏からだとうと、 塑性変形部分そせいへんけいぶぶん の体積は同じなので、加工中の塑性変形の動きは異なっても、 最終的に形成されるクリンチング部分の母材形状は同じとなるのではないか?というものです。
確かに、他の影響因子を考慮しなければ、シミュレーション結果は、 表からだろうと裏からだとうと同じ強度になるはずです。

しかし、現実に実験を行うと表と裏では差が発生します。  その原因は、様々な原因が考えられるため、 ここで、単純な1つの原因を提示する事は出来ません。

ですが、考えられる原因を全て考慮に入れて共通の結論として言える事が一つあります。  それは、圧入下穴は、全せん断面を持つ穴にする事が理想である という点です。

ファスナーメーカーとしては、 本来は、確実な圧入を保証するために、不安要素を排除するという意味合いからも、 “ ぜん せん断面を持つ 下穴したあな に圧入して下さい” とマニュアルに記載したいところです。  しかし、そんな事を記載したところで、実際には板金屋さんは対応できません。  これは、多くの板金屋さんの事情を無視して、計算上の理想だけで考えた結論に過ぎないのです。  何故ならば、大半の板金屋さんでは、アマダさんのタレパン(左画像)を使って、 下穴を空けるという事が決まっているようなもの だからです。

であれば “ ぜん せん断面を持つ 下穴したあな に圧入して下さい” とマニュアルに記載するのはナンセンスです。  アマダさんを含む一般的なタレパンを使って、 全せん断面を得ようとすると、逆に 金型かながた研磨回数けんまかいすう が増えるなどのデメリットも発生します。  そのような事を考慮に入れると、ここでは、アマダさんのタレパンで、とりわけ工夫をせずに抜いた 下穴に圧入しようとした場合を前提に、圧入について述べなければなりません。

結論をまとめますと、
本当は、全せん断面を持つ下穴に圧入して頂きたいところですが、
アマダさんなどのタレパンで抜いた下穴に圧入する場合は、抜き方向と同じ方向に圧入して下さい。

というのが、大半(約80%)の板金屋さんに対する見解となります。

もちろん、アマダさんのタレパンで抜いた下穴は、多くのせん断加工で言われている事と同じく、 ファスナー圧入においても 破断面はだんめん が少なければ少ないほど好ましい と言えます。

設計者の方に対しては、
板金屋さんで特別の下穴加工方法や圧入時に特別の工夫を行っていないのであれば、
下穴抜き方向と同じ方向に圧入しなければ、 適切な圧入部分の 耐力たいりょく を得る事が出来なくなり、
最悪、ファスナーが外れたりする事もありえます。

という結論となります。

強さを手に入れるのは大変ですね


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