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45.海外のクリンチング製品

47.クリンチング・ファスナーの価格

46.クリンチング・ファスナーが破壊した場合


前に、 剥離再めっきはくりさいめっき の危険性について述べましたが、 水素脆性すいそぜいせい で破壊した金属製品の 破断面はだんめん を詳細に調べると、 その面に違いがある事が解ります。  延性破壊 ( えんせいはかい:左側 ) と脆性破壊 ( ぜいせいはかい:右側 ) と言って、 電子顕微鏡で拡大した画像を見れば、両者を判別する事が出来るのです。  水素脆性が発生している場合は、脆性破壊となります。

関連情報;6.トラブル対策1 剥離再めっきはやめて

 

一般に、延性破壊は良い状態とされ、材料は延びてから破壊した痕跡としてディンプルが認められます。  また、千切れた山の頂点に当たる部分は、 白化はっか といって、連続した白い線も観察できます。  逆に、脆性破壊では、岩のようなゴツゴツとした粒子を積み上げたような画像となっていて、 金属がボロボロになっているのが解ります。

ちなみに、こういった電子顕微鏡画像を産業試験場等にサンプルを持ち込んで撮影しようとすると、 数日の時間と数万円の費用(概ね1枚5,000円)が発生します。 

クリンチング・ファスナーが折れたり割れたりした場合は、 この判別を行う目的で、 電子顕微鏡を使った 破断面調査はだんめんちょうさ をするよう、設計者の方から指示を受ける場合があります。

しかし、 疑いを晴らすために、手間と費用を掛けて、 何枚も画像を用意させて頂く事はありますが、 一度も、その費用を負担して頂いた事は無いというのは、 如何なものでしょうか? 

また、実験計画において、最も重要な事は客観性 です。  過去に撮影された延性の画像を提出するといったイカサマや、 撮影したとしても、都合の良い部分の画像だけを提出する可能性も 十分に考えられます。  実際、撮影を行って見たら、延性と脆性が混在しているような結果になる場合があります。  そのような場合、川上企業(下請け=ファスナー・メーカー)は延性だと主張するでしょうが、 川下企業(大手企業)から見れば、脆性に見えるはずです。

本来は、不具合発生時の電子顕微鏡を使った原因追究は、 川下企業(大手)で行うべきもので、川上企業(下請け)には、 強い利害関係があるため、そもそも、その資格がありません。  舛添要一前都知事の苦しそうな言葉の通り 『 第三者の厳しい目で判断して頂く 』 必要があるわけです。  こういった分析は、手間が掛るからと言って、 下請け任せにするのは間違い です。

話を戻しますと、
剥離再めっきを行っている場合は、こういった調査を実行するのはナンセンスです。  故意 に水素脆性を引き起こそうとしているようなものであり、 まず、第一に剥離再めっきをやめるべきだからです。

結果は何時も延性破壊

逆に、剥離再めっきを行っていない場合は、 電子顕微鏡を使ったファスナーの破断面調査を行う場合もあります。
しかし、その結果の、ほぼ100%が延性破壊。  つまり、クリンチング・ファスナーの熱処理を含む、材質の問題では無い事の方が圧倒的に多いのです。

延性破壊の場合に、破壊が起こった原因を追及すると、 例外なく 『 設計ミス 』 という結果になります。  そのために、クリンチング・ファスナー・メーカーには、 多くの設計ミスの情報が集まる事にもなります。  それらを分類すると下記の内容になります。

  @ 破壊しても仕方がない大きな力が加わった
  A クリンチング・ファスナーの選択ミス
  B M3など細いねじ径を使用してしまった
  C 水分の多い場所で使用して錆が発生した
  D ステンレスなので水分が多くても錆びないと誤解した

結局のところ、力学的に無理のある設計になっている という事です。  例外的には、設計は正しかったのだけれど、板金屋さんが標準締付けトルクの事を御存じ無く、 E 強い力で締付け過ぎた というケースも良くあります。


生産管理上の問題が主

実は、板金屋さんに“何ニュートン・メートルで締め付けたのでしょうか?”と聞いて、 それに答えられる板金屋さんは20%程度しかおられません。  ねじを締付ける時、締付けトルクを管理しておられる板金屋さんの方が少ないのです。  ここでは、トルク(力積) の説明はしませんが、 さらに、半数以上で “ 1kgだ! ” などという、何ともチンプンカンプンな答えが帰ってきます。 

そんな状況の中で、 突如として破壊が発生した場合、設計者の方や板金屋さんが必ず言われる台詞は、 何時も決まっていて、
これまで発生していなかったから、ファスナーの何かが変わったはずだ
と仰います。

ですが、ファスナーの焼き入れ状態などの何かが変わったのであれば、 同じ事が、同一ロットの全てで発生するはず。  つまり、クリンチング・ファスナー・メーカーから見れば、 多くのお客様で不具合が同時多発するはず です。  もし、そんな事が起これば大変なトラブルな訳ですが、 全てのロットに関して、 硬度試験こうどしけん 等は漏れなく複数回実施しており、 現実に、そのような事が発生した事はありません。 

突如として破壊が発生した理由は、突如として何らかの 外的要因がいてきよういん が加えられたからで、 概ね、上記の6つの何れかがその答えです。  ほとんどの場合は、これまで不具合が発生していなかった事が、 ラッキーなだけで、 破壊するに至るまで気付かない体制であった事に問題があるはず。
1つでも破壊が発生したとすれば、 過去に製品出荷された商品も全て心配になります。

板金屋さんが、 クリンチング・ファスナーを使い始めから、 一度もプッシュアウト試験を、 実施した事が無い というのは、そもそもおかしいのですが、 現実には、ほぼ全部の板金屋さんで、 これを実施した事はありません。

もし、そのような事を行えば、 怖くてプレスで圧入する等と言う事も出来ないはずです。

関連情報
   5. クリンチング・ファスナー最大のトラブル要因
   18.インサーションマシン1 圧力制御
   21.インサーションマシン4 プレスでまとめて圧入出来ないの?

破壊して初めて気付くというのは、 健康診断に行かずに、死んで初めて、病気であった事に気付くのと同じ 事です。  設計者の方には、このような現状を把握して頂く必要があります。  また、特に標準締め付けトルクの話など、 板金屋さんに対する適切な御指導を行って頂かなければ、 設計者の方にとって不便な状況を回避出来ないものと考えます。

設計者の方に、このホームページで述べて来た内容を理解して頂き、 数件の改善を行って頂ければ、 クリンチング・ファスナーに関係するトラブルは、全く発生しなくなるでしょう。

クリンチング・ファスナー普及委員会   CF普及委員会にMailを送る