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28.クリンチング・ファスナー圧入アニメーション

30.売れ筋のクリンチング・ファスナー

29.クリンチング・ファスナーの化学物質調査

板金製品は、製品に組み込まれて、 耐用年数たいようねんすう が過ぎた後は廃棄されます。   その時に、安全に土に戻る事が出来るかどうかは、環境側面で大きな問題となります。  大手企業が製品を出荷する際には、その安全性を確かめる必要が発生し、 板金屋さんにも、下記のような資料の要求が来る事になります。

AISえーあいえすデータ
MSDS Plusえむえすでぃーえすぷらす
RoHsろーず 非含有証明書
REACHりーち 非含有証明書
・ 材料証明
・ 各種化学物質不使用証明書
・ Conflict Minerals Reporting Template (CMRT)

これらの化学物質調査の問合わせに関しては、
大企業 -> 一次下請け -> 二次下請け -> 三次下請け
という順で調査問合わせが進みます。
しかし、ここで重要な事は

多くの板金屋さんが化学物質調査に関する知識を持っていない

という事です。

化学物質調査を依頼した時の板金屋さんの状況

最終的に、クリンチング・ファスナーなどの化学物質調査を 板金屋さんが行う段階になると、 元々は、どんな内容を要求されているのかが、 解らない場合の方が多いのが実情です。

例えば、板金屋さんは、ファスナーメーカーに対して、 “証明書を発行してくれ”と言ってきますが、 何の証明書だか解っていない場合が多く “証明書と言っても何十種類もありますが?”と聞き返すケースが約半数です。  板金屋さんから“一番良く使うヤツでいいよ”などという答えが帰ってくる場合も多い。

また、MSDSとMSDSplusの違いなどは、全く解っておられず、 “どちらでもいいから”という板金屋さんも多いのです。

開口一番 “AISデータをFAXで送ってくれ” と要求され、 “磁気情報なのでMailで添付して送付する事しか出来ません” と言うと、普段はMailは使った事が無く、 Mailアドレスを聞いても即答できないだけでなく、 ようやく送っても“開けないんだけど”と相談して来る場合が半数。  データが破損していて開けないのか、 JAMPの入力支援ツールが無いから開けないのかも解っておられない。  JAMPの入力支援ツールのダウンロード方法をお教えしたり、 データの中身を見るためのオペレーションも説明する事もよくあります。

設計者の方は、こういった実状を既に把握しておられて、既に、 あきらめムード になってしまっている事も感じられる昨今です。


板金屋さんへの対応方法

内容を理解しておらず、データの扱いも解っていない方を経由して、 大手企業が、これらのデータをお求めになると、 下請け企業では、話が混乱を極め何度もやり直しの目に遭ってしまっています。

それならば、直接メーカーに連絡された方が、ず〜っと話が早いはず。 

    “××製作所さん向けに出荷している
     ××のRoHS非含有証明書が欲しいのでFAX(もしくはMail)で送付して下さい。”

などと要求して頂けば、即日対応可能かと思います。

上記のような事が出来ない場合、つまり、設計者の皆さんが、 板金屋さんを経由して、これらの情報をお求めになる場合は、 下記の事に注意して頂ければ、早期に回答が帰って来るものと思われます。

   1. 各種証明書が必要な場合は、何の証明書なのかを明確に伝える事
      ローズ、リーチ、紛争鉱物、輸出管理規制品目の非該当証明書など

   2. AISデータやMSDSplusの場合は、紙ではなく磁気情報である事を伝える

   3. それ以外を要求したい場合
     組成そせい データシート(含有物質と含有量が全部記載されている)を要求する
     なお、組成データシート(下画像)は化学物質調査の基本です。
     全ての化学物質調査は、これを根拠に作成されていますので、
     これさえあれば、どんな化学物質調査にでも対応出来るはずです。

上画像の組成データシートに類する書類が提出出来ない製品を、 大手企業(川下企業)さんは使ってはいけないと思いますので、下請け企業(川上企業)にデータを求めるのも当然の事と理解しています。  ですが、筆者の知る限りでは、これらの書類を求めるのは結構ですが、“全ての化学物質データは、あくまで無料”という点は、 いつもながら力の論理に感服する他はありません。  下請け企業(川上企業)が、こういったデータを作成するために、どれだけ悩んで苦労しているのかだけは理解して頂きたく存じ上げます。

困った大手企業の独自書類フォーマット

大手企業(川下企業)さんからは、よく、独自の書類フォーマットに記載するように指示される場合があります。  大手企業さんのお立場からすれば、いつまでも書類が入手できないという心配があるので、 書類フォーマットをExcelなどで送付してしまえば、“てっとり早く記入してもらえるはずだ”というお考えかと思います。  また、大手企業さんのお立場では、各社から提出された書類のフォーマットが1種類に規定できる事は、書類管理上多くのメリットがあるはずです。
ですが、
独自の書類フォーマットをもらった下請け企業は、これの対応に困窮する 場合があります。

1. ITリテラシーが低い場合が多く、 Excelシートの編集が出来ない場合がある。

ITリテラシーが低くない人でも、 追記に苦慮してしまうようなシートが送られてくる場合が多々あります。  Excelシート追記を行う場合は、単純なシートにしておいて頂かないと困ってしまいます。  また、ファイル形式は、古いPCでも読み書き出来るように、 最新のものではなく1世代以上前の形式にして頂くのが礼儀のように思います。  例えば、.xlsx よりも .xls の方が好ましいという意味です。

2. 独自の書類フォーマットに記入されている内容を、細部まで吟味せねばならない。

書類の本質が証明書類である場合、内容を良く吟味せずに印を押す事は出来ないのが当り前です。  吟味するという事は、下請け企業にとっては、読むというよりは解読とか翻訳のレベルの仕事になります。  下請け企業の担当者は、細部まで内容を確認し、上司に伺いを立ててからでなければ提出出来ないわけですから、 例えば、数日で提出するなどという事は、出来るわけがありません。

普通は、下請け企業は、元々自分の会社内で入念に吟味した、客先提出用の各種証明書類の書式が作ってあります。  こういった書式は、即日提出等を目的に作成されたものです。  しかし、独自の書類フォーマットに記入する事を要求されてしまった場合は、 手間ばかりが増える結果となり、多くの場合、即日提出出来るものも約1週間後となってしまうでしょう。

3. 本質的な矛盾

大手企業に悪意が無い事は承知しておりますが、解釈によっては、 下請け企業が発行すべき証明書の類を、 大手会社が勝手に作成し理不尽な内容を記載し “ これにサインしろ、でなければ買わない ” という解釈をされ易い流れになっているという点を大手企業は考慮すべきです。

禁止物資などの非含有を証明して、さらにそれを保証するのは下請け企業 ( メーカー ) なわけですから、 証明書の内容は、下請け企業が提示する物であるはず。  当然ながら、言葉には様々な解釈が存在し、 他人が書いた文書は、何が書いてあるか解らないような状態であるにも関わらず、 それを保証せねばならないというのは、無限の責任を追及されるという解釈も成り立ち不平等です。  もう一度、述べますが、大手企業に悪意が無い事は承知しております。  ですが、このようなプロセスで発行された証明書に、いくらハンコなどが押してあっても、 いざという時には、契約書類としての効力は発揮しないはずです。


上記の理由から、独自の書類フォーマットは、 下請け企業が独自のフォーマットを持っていない場合には便利なものですから、 そういった場合にのみ使用すべきものではないかと考えます。

大手企業が、自身で作成した書類フォーマットでの証明書提出を、下請け企業に求めるのは、 下請け企業にこれに対応した、書類フォーマットが無い場合にのみに限定 すべきです。



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