表面処理鋼板へのスタッド溶接


運営;クリンチングファスナー普及委員会
スポンサー;株式会社ユーロテック
アース問題解決 S溶接可能製品

表面処理鋼板ひょうめんしょりこうはん へのスタッド溶接

一般に、 表面処理鋼板ひょうめんしょりこうはん にスタッド溶接を行なおうとすると、 アークが安定しない事と、 表面処理物質ひょうめんしょりぶしつ が混ざるという 2つの弊害が発生します。 そのために、表面処理は削り取ってから、スタッド溶接を行うという事をお勧めしています。

磁界じかい リング式(SRM)スタッド溶接工法 を用いれば、 アークの安定を強制的に得る事が出来る事ために。 これまでのスタッド溶接よりも優れた溶接結果が得られます。

但し、 表面処理物質ひょうめんしょりぶしつ の混入という点では、 何ら改善される事はありませんので、 これまでと同様の、 溶接欠陥ようせつけっかん などが発生するものと思われます。

ところで、混入する、 表面処理物質ひょうめんしょりぶしつ の物理的体積というのは、 どの程度のものなのでしょうか?  表面処理の種類によりますが、数μmの厚さしかない場合はどうでしょうか?  直接、溶接結果に問題を及ぼすとは思えない程、小さな体積の場合も多いはずです。

また、物質によっても影響度合いは大きく異なります。 燃焼してしまう場合は、 気泡きほう にならなければ問題はないはずですが、 それこそ、表面処理の種類によっても大きく異なるはずです。

このように考えて見ると、 板金屋さんでよく使われる 表面処理鋼板ひょうめんしょりこうはん 毎に、分析してみる必要がありそうです。 まずは、 表面処理鋼板ひょうめんしょりこうはん に関する情報を下記に記します。

表面処理鋼板ひょうめんしょりこうはん とは

鉄鋼てっこう は、その機械的性能、加工性、価格などの点で 構造用材料の主役となっています。 このうち、 表面処理鋼板ひょうめんしょりこうはん を含む薄板の比率は約36%で、 需要量としては自動車関連分野が50%以上と多く、 そのほかに家電、建築資材、事務・家庭用品、住宅、農機具などの業種で使用されています。 最近これらの業種では、 耐食性たいしゅくせい や外観など、製品の品質向上を目的として、 表面処理鋼板ひょうめんしょりこうはん の採用が進んでいます。   表面処理鋼板ひょうめんしょりこうはん の生産量は、12年間で約2.5倍とほかの鋼材を大きく上回っており、1987年には、 その受注量が薄板全体の約43%にも及んでいます。この 表面処理鋼板ひょうめんしょりこうはん は、表1のように分類することができますが、 特に 亜鉛メッキ鋼板あえんめっきこうはん の割合は約70%と高く、 表面処理鋼板ひょうめんしょりこうはん の代表と言えます。 従って、ここでは 亜鉛メッキ鋼板あえんめっきこうはん の主なものを中心に説明します。

1. 溶融亜鉛メッキ鋼板ようゆうあえんめっきこうはん (含亜鉛鉄板)

この鋼板の 亜鉛目付量あえんめつけりょう は、JIS規格に定められている ように、 薄口付量うすくちつけりょう から 厚口付量あつくちつけりょう まで広範囲です。 一般 に“ 亜鉛鉄板あえんてっぱん ”と称しているものもこの中に入ります。 この種の 鋼板こうはん は、亜鉛目付量に応じて優れた耐食性を有していますが、 亜鉛の錆( 白錆しろさび )を防止するために、 クロム酸によって耐食性を有する 皮膜ひまく を形成させる (クロメート処理)場合があります。 また、溶接性は 冷延鋼板れいえんこうはん などに比べて劣るため、溶接条件や 目付量めつけりょう を選択する必要があります。 加工性についても、加工度に応じた口付量や 潤滑剤じゅんかつざい を選定しなければいけません 塗装性については、 リン酸塩処理りんさんえんしょり (ボンデライジング)を施し、塗膜の 密着性みっちゃくせい および塗装の 耐食性たいしゅくせい を高めることが可能です。   溶融亜鉛メッキ鋼板は、これらの特性により、建材あるいは自動車や電気器具の内板などに使用されてい ます。

2. 合金化溶融亜鉛メッキ鋼板 ごうきんかようゆうあえんめっきこうはん

この 鋼板こうはん は、 溶融ようゆう メッキ後、メッキ層を加熱して表面まで鉄を拡散させたもので、Zn-Feメッキ層は、 塗装性および溶接性に優れています。また、無塗装で使用されることがなく、塗装との組合せによって優れた 耐食性たいしゅくせい も発揮します。 ただし、メッキ層がもろいため、加工性は 冷延鋼板れいえんこうはん などに比べてやや劣ります。 用途としては、自動車の内・外板および電気器具の外板があり、近年著しい需要の伸びを示しています。

3. 電気亜鉛メッキ鋼板でんきあえんめっきこうはん

この鋼板は、 溶融亜鉛メッキ鋼板ようゆうあえんめっきこうはん に比べて ① 原板げんばん である熱・ 冷延鋼板れいえんこうはん の材質特性を維持できる  ②目付量が均一で表面が 平滑へいかつ である ③片面メッキが 容易である ④Zn-Fe,Zn-Niなどの複合メッキが可能である などの特長を有しています。 これらの特長を生かし、自動車や電気器具の内外板などに使用されています。

4.その他:アルミメッキ鋼板

この鋼板の最大の特長は優れた 耐熱性たいねつせい です。アルミメッキ鋼板は670℃近 くまで酸化せず、 1000℃くらいでも耐熱性が得られます。また、耐食性も厚メッキの場合には 亜鉛鉄板あえんてっぱん よりも優れ、 特に海岸性雰囲気や工場地帯の 硫化水素りゅうかすいそ亜硫酸ありゅうさん ガスなどに対して良好な特性を示します。ただし、メッキ層がもろいために加工性が悪く、溶接性も 冷延鋼板れいえんこうはん に比べて劣ります。 これらの特長により、自動車などの排気系、 焼却炉しょうきゃくろ などに使用されています。

以上のように、 亜鉛メッキ鋼板あえんめっきこうはん に代表される 表面処理鋼板ひょうめんしょりこうはん は、 鋼製製品こうせいせいひん の 品質向上の観点から、 今後さらに需要が伸びることが予想されます。

㈱ユーロテックでは、これらに対する、 磁界じかい リング式(SRM)スタッド 溶接工法ようせつこうほう を用いたスタッド溶接の実験が進められており、 良好な結果が得られる事が多い と報告されています。

しかし、㈱ユーロテックでは、ご相談には応じさせて頂いておりますが、  表面処理鋼板ひょうめんしょりこうはん には、バリエーションも多く全てを把握する事は不可能です。 また、表面処理物質が 溶融池ようゆうち に混入するという問題点がありますので、 製品に対する品質の保証はできません。 基本的には、お客様の責任でトライして頂くべき内容 と考えております。

アース問題解決 S溶接可能製品