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23.発生が予防できない不具合

25.クリンチング・ファスナーカタログの解説

24. クリンチング・ファスナー 設計者のためのチェックリスト

ここまでのページで多くのクリンチング・ファスナー圧入技術について述べてきました。
乱文等により、既に混乱を招いているかもしれません。 
そこで、主要なチェック事項をチェックリストとして下記にまとめます。
ここまでのページは、初めてクリンチング・ファスナーを使った設計を行う方や、 新卒の設計者の方を想定して、解り易くクリンチング・ファスナー圧入技術を説明して来たつもりです。  従って、ベテランの設計者の方にしてみれば、釈迦に説法。  ベテランの方は、このチェックリストを使って、不明な点だけをチェックするだけで十分かも知れません。  筆者は、設計者の方にこれらの内容を把握して頂ける事で、 クリンチング・ファスナーを正しく使いこなせるものと確信します。

これが守られていなかった事によって発生したクリンチング・ファスナーの不具合は、 少なくともクリンチング・ファスナーの不具合全体の70%を占めます。
ベテランの方には、若手の設計者の方に“一度チェックしてみたら?” などと情報伝達して頂ければ幸いです。
なお、このサイトの目的は、純粋に日本のクリンチング・ファスナー圧入技術の向上を目的としたものであり、 特定の企業の宣伝や売上向上を狙ったものではありません。

クリンチング・ファスナー設計時 チェックリスト
全ての項目で、答えはYesでなければなりません。
参照ページには、それぞれの理由が述べられていますので、クリックしてご確認下さい。
1
プレス機(プレスブレーキを含む)では圧入を行っていない
   参照
   5. クリンチング・ファスナー最大のトラブル要因
   18.インサーションマシン1 圧力制御
   21.インサーションマシン4  プレスでまとめて圧入出来ないの?
YesNo
2
圧入機とクリンチング・ファスナーの技術サポートは、同じ会社
   参照
   18.インサーションマシン1 圧力制御
YesNo
3
ファスナー圧入後、剥離再めっきを行なっていない
   参照
   6.トラブル対策1 剥離再めっきはやめて
YesNo
4
ステンレス製のファスナーは錆びるという事を前提としている
   参照
   7.トラブル対策2 ステンレスは錆びます
YesNo
5
『磁性』に関する表記をしている時、工場側にその意味を説明した
   参照
   8.トラブル対策3 『磁性を持つ』と『磁力を帯びる』の勘違い
YesNo
6
人が触れる部位にM3以下のクリンチング・ファスナーは未使用
   参照
   9.トラブル対策4 M3ねじの難しさ
YesNo
7
長さ13mm以上のクリンチング・ファスナーを使用していない
   参照
   10.トラブル対策5 全長が長過ぎる
YesNo
8
半端な長さ(1mm以下)のクリンチング・ファスナーを使用していない
   参照
   11.トラブル対策6 半端な長さの使用
YesNo
9
下穴抜きの逆方向からクリンチング・ファスナーを圧入していない
   参照
   12.トラブル対策7 板の裏表と圧入方向
YesNo
10
下穴をレーザー加工機で空けていない
   参照
   13.トラブル対策8 レーザー下穴の危険性
YesNo
11
下穴にR面取りを行っていない
   参照
   14.トラブル対策9 R面取りの危険性
YesNo

エクセル形式で、このチェックリストをダウンロードする


圧入技術の未来 ( 原発事故と新幹線の違い)

3.11で発生した原発事故は全世界に衝撃を与えました。  それは、日本の技術を持ってしても、最悪の事故を防ぐ事が出来なかったからです。  例えば、日本の鉄道技術は世界一です。  未だ新幹線における事故死者は0人。 あれ程の過密ダイヤでも恐ろしい程の時間管理を行い、 遅れる事も無く世界の常識を遥かに超えた運行が実現しています。  それと比較すると、あの原発事故は、何だったのでしょうか?  日本人として、情けないと感じたのは筆者だけでは無かったはずです。  また、日本でこのような事が発生するのであれば、 世界中の原発だって何時爆発してもおかしくないという事にもなるでしょう。  しかし、新幹線と原発には、はっきりした違いがあるはず。  一体何が違ったのでしょうか?



筆者は、その理由の1つは原発の歴史にあると思っています。  日本で最初の原子力発電が行われたのは1963年(昭和38年)10月26日。  何故、僅か18年前に原爆を落とされた国が原発稼働に踏み切ったのでしょうか?  それは、核武装の必要性と大きな関係があります。  筆者は、子供の頃、社会科の授業の時、先生が
“日本は原子力発電をやっているのだから原爆は何時でも作れる”
“人工衛星も打ち上げているのだからICBMだって何時でも作れる”
と言っていた事を覚えています。 
その解釈は、核兵器の是非はさて置き、今でも正しい解釈だと思います。  これは、おそらく世界中の人が当時、そのように思っていたはずです。

ところが、1963年レベルで原子力発電を行う事は、当時の日本にとって、 非常に難しい事だったわけです。  何せ東京タワーが出来て僅か5年しか経っていないような時代です。  そこで、正力松太郎氏や中曽根康弘氏は、 湯川秀樹博士が主張する日本独自の技術で原発を造るべきだという意見を無視し、 アメリカやフランスの技術を導入し、原発を、あっという間に稼働させてしまいました。

当時の日本はエネルギー問題はありませんでした。  当時の石油の値段は、今の1/10くらいだったはずです。  そんなに急ぐ理由は、敗戦国日本が、 外交政策を少しでも有利にしたいからだったはずです。 

ここで、もう一度、新幹線と原発を比較して見れば、 何故、原発事故が起こったのかという1つの理由がはっきりと見えて来ます。  原発のような技術は、いくら優秀な人達が管理しても、 新幹線のように日本独自で開発しなければ、訳が解らない状態になってしまうのです。  それは、どんな技術でも共通なので、湯川秀樹博士は“日本で”と主張したはずです。

原発事故とクリンチング・ファスナー

それでは、クリンチング・ファスナーの技術は、現在、どちらに近いでしょうか?
“新幹線や原発とは次元が違う”というお考えの方もおられるかも知れません。  確かに技術レベルには明らかな差があるものの、 金属製品と周辺部品を固着する基本技術であると考えれば、 極めて影響範囲が広い基本技術ではないかと筆者は考えます。



現在、日本におけるクリンチング・ファスナーの圧入技術は、 明らかに過去の原発と同じ状況 にあります。  日本は、この技術で遅れを取れば、 多くの商品開発においてトップクラスから陥落する可能性があります。  また、違う側面からは決定的な事が言えます。  次世代の高精度な精密板金やプレス技術を極めようとした時には、 位置制御から圧力制御に考え方を改めねばならない事になるはずです。  板金技術において、クリンチング・ファスナーは、その登竜門的な存在であり、 本来、設計者の皆さんと板金屋さんは、クリンチング・ファスナーの圧入技術を通して、 その理解を深めねばならないはずなのです。

しかし、現実は、目先の売上の事だけしか考えず、 加工技術の本質を勉強しようともしない人達が、訳が解らないまま、 クリンチング・ファスナーの圧入技術自体を抹殺しようとすらしているのです。

これは、もう、やっている事は、 地動説を抹殺しようとしたキリスト教徒と同じ事ですし、 原発の危険性を述べる意見を抹殺し続けて来た、 原発の安全神話とも同じ事です。 

これを“大げさだ”と感じる方は、 一つの加工技術を抹殺しようとする事の愚かさが解っておられないと思います。  それは、地動説同様、たとえ神様でも変える事など出来ない事であり、 自然を破壊しようとしたり、種を絶滅させようとする行為にも 似た行為ではないかと筆者は考えます。

彼らは、その事に全く気付かないままに “プレスでも圧入出来ると聞いています” という毒を撒き散らしているように思えてなりません。  まして“聞いています”という部分は、他力本願の極み としか思えません。

設計者の方は “ ××と聞いています ” などという台詞を聞いた時は、
  “ 誰から聞いたの? ”とか
  “ その人は責任を取ってくれるの? ”とか
  “ その人は何を根拠に、それを言っていたの? ”と聞き返すべきです。 
この質問に何ら答える事が出来ない時、 その台詞は自分たちの都合の良い方向に、 なんらかの誘導を行いたいという意図があります。
“ ××と聞いています ” という台詞は、現場で頻発している便利な台詞かも知れませんが、 現代の“ものづくり”においては、多くの場合、害を及ぼす悪習慣 であると考えます。

数十年後に日本工業史を振り返った時、 “ プレスでも圧入出来ると聞いています ” という台詞が、 間違った判断や解釈である事は、今よりもっと明確になるでしょう。  現代において“地動説は神の意に反する”と言えなくなった事や、 3.11以降“原発は安全です”と言えなくなった事と同じになります。

その時になって、自分達が間違った側や人を惑わす側に加担したと気付いても、 遅いのです。

クリンチング・ファスナー普及委員会   CF普及委員会にMailを送る